石けんが海を守る…?
海を汚さないために
はじめたこと
こんにちは。初回と前回とブログを読んでくださったみなさん、ありがとうございます。各方面の方々からすてきなご感想をいただいて、とてもうれしいです。相変わらずマイペースに更新していますが、これからも応援していただけましたら幸いです。さて、ふたつめの提案は、ちょっとまじめなエコロジストなわたし「do」からです。
先日、早めの夏休み(退職してからずっと夏休みのようなものですが…笑)で、沖縄へひとり旅してきました。はじめての沖縄、澄んだガラスのような青い海はこころが洗われるようで、とくに印象的でした。でも、こうした美しい海も人間の手によって汚されているのだと思うと、なんだか海を見る視点が変わってきます。
話は変わりますが、1年ほど前から「石けん」を使っています。手・食器・服を洗うとき…100%使えているわけではありませんが、洗面所や流し台に石けんを常備するようになりました。肌の弱い方が石けんを使うという話を聞くことがありますが、わたしが石けんを使いはじめた理由のひとつは「海を汚したくない」という気持ちでした。
川へ流れた石けんは
どこへ行く?
海洋汚染の原因はさまざまですが、そのなかのひとつに「合成洗剤」があります。正しくは、合成洗剤に配合された「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」。これは汚れを落とすための成分のことを言い、何を隠そう、石けんも界面活性剤のひとつです。問題は、石けんと合成洗剤の製造方法の違いにあります。下記に、その違いを簡単に挙げてみます。
石けん
歴史:紀元前3000年〜(シュメール文明)
原料:動植物の油脂、アルカリ剤(木灰、灰汁、苛性ソーダなど)
製造方法:油脂にアルカリ剤を混ぜ、加熱する。
↓
石けんは、家でもつくることができ、河川の微生物によって100%分解される。
歴史:第一次世界大戦〜(ドイツ)
原料:石油や動植物の油脂、添加物(蛍光剤、漂白剤、香料など)
製造方法:高圧高温のもと、化学合成する。
↓
合成洗剤は、家でつくることはできず、自然界で分解されないため、一部は海まで流れる。
まだ100年ほどの歴史しかない合成洗剤は、当初から問題視されてきました。毒性があり、河川を魚が住めないほどに汚染したほか、皮膚が荒れる、誤飲して呼吸困難になるなど、人体への影響も…。それもそのはず、「ポリオキシエチレン=アルキルエーテル」をはじめとした合成界面活性剤は、経済産業省によるPRTR制度でダイオキシンやアスベストと同レベルの有害化学物質に指定されています。
ハンドソープで
石けんライフ入門
いままでは、当然のように使っていた合成洗剤。でも、こういった事実を知ってしまった以上、できるだけ使わないようにしたい、と思うようになりました。完璧に使いこなせているわけではありませんが、自分なりに「石けんライフ入門」をステップ別にまとめてみました。石けんの扱い方のコツも少しだけご紹介しますので、ぜひ参考にしていただけたら!
doの石けんライフ入門
〉step1「ハンドソープを使う」
単価がそれほど高くないので、初心者におすすめ。ハーブの成分などが添加され、さっぱりとした自然な香りのものが多い。ただし、世の中には「ハンドソープ」でも、中身が合成洗剤の場合があるので、成分表示(下記参照)を要確認。
〉step2「台所用石けんを使う」
実際に口につけるものを洗うので、とくに気を遣いたい部分。石けんは性質上、酢に弱いが、あらかじめ古布などで汚れを拭き取ることで洗いやすくなる。また「100%天然由来」という表示があっても、合成洗剤の可能性がある。
〉step3「洗濯用石けんを使う」
洗濯ものが黄ばみやすい、洗濯槽にカビが生えやすいなどのデメリットがあるが、水で予洗いしたり、酸素系漂白剤などを使うことで解消される。天然の香りがついたものや、柔軟剤の代わりに衣類用のリンスも販売されている。
石けんの主成分
固形石けん・粉石けん:脂肪酸ナトリウム(ソーダ石けん)
おもな石けんメーカー
スーパーや薬局のほか、ネットでも手に入ります。
わたし自身、石けんを使いはじめて「地球に余計な負担をかけない」ということに、気持ちよさを感じています。それから、柔軟剤の強い香りが苦手だったので、石けんのさっぱりとした香りが心地いいです。とはいえ、油でギトギトになった食器には、ついつい合成洗剤を使ってしまいます…。いろいろと工夫をしながら、すべてを石けんに切り替えられたらと思っています。
今回紹介した「合成界面活性剤」ですが、じつはシャンプーや歯磨き粉、化粧品にも使われています。これについては話すと長くなるので、また別の機会に…。次回の更新は、本ブログ初のインタビュー記事を予定しています。テーマは「サステナブルなあのひと」。あなたの知っているあのひとが登場するかも? どうぞ、今後もおたのしみに!
27 July, 2016 / do
背伸びしないサステナブルな暮らしの提案
02「手・食器・服を石けんで洗う」
背伸び度:★★☆
予算 :ハンドソープ・台所用石けん350円前後、洗濯用液体石けん800円前後
参考
・『石けんと合成洗剤50のQ&A』長谷川治/著 合同出版/刊
・「いいね13 自分で洗える服を着る」クレヨンハウス/刊
・生活と科学社「石鹸百貨」ホームページ